
病理学的検査
病理組織検査とは
内視鏡検査や手術により採取した組織から標本を作製し、病理医によって病変の診断をしていただく検査です。直接診断に結びつく重要な検査です。
標本作製について
この部分が私たちの主な仕事になります。以下に標本ができるまでの手順を簡単に説明します。

依頼書の内容と検体が一致しているか確認して受付を行います。
必要なものには割をいれて、受付番号を記入した専用のカセットに入れていきます。
ホルマリン固定された組織を最終的にパラフィンに浸透させます。パラフィンは水に馴染みませんので、アルコール→キシレン→パラフィンの順に、この装置を用いて一晩かけて浸透させます。
パラフィン浸透した組織を、専用の包理皿とカセットを用いてパラフィンブロックを作製します。
パラフィンブロックをミクロトームという専用の装置を用いて厚さ3μmに切っていき、それをスライドガラスに乗せ乾燥させます。
ルーチン染色としてHE染色とPAS染色を行っています。胃の生検材料にはすべてギムザ染色を追加してヘリコバクター・ピロリの有無も確認して頂いています。必要に応じ特殊染色や免疫染色も追加します。
染色を終えたプレパラートに封入剤を乗せカバーガラスで上から覆います。乾燥させてラベルを貼ったら標本の完成です。
報告日数について
検体をお預かりして4~6日で検査結果をお届けしております。尚、手術材料、骨などの脱灰操作の必要な物、乳腺など脱脂操作の必要な物、追加標本作製の必要な物などは数日遅れる事があります。
精度管理について
毎年行われている日本臨床衛生検査技師会の精度管理調査に参加しています。毎年、良好な評価を得ております。




細胞学的検査
細胞診部門では現在10名のスタッフが在籍しています。内10名が日本臨床細胞学会認定の細胞検査士(CytoTechnologist)であり、検鏡業務に従事しています。 さらに2名は国際細胞学(InternationalAcademy of Cytology)認定の国際細胞検査士資格も取得しています。
当検査室では、検査精度向上の為、全標本において100%スクリニーングを行っています。(医療関連サービス適合基準では全標本の10%のスクリニーングで適合します。) 細胞学的判定にはきれいな標本を作製する事が何よりも重要で、患者様から提出して頂いた検体を迅速に、塗抹・固定・染色・封入などの工程を経て検鏡します。標本作製には様々な注意を要する点があり、担当の臨床検査技師が日々努力しています。
細胞診では婦人科領域・喀痰・尿の依頼が多く、ClassⅠ~ClassⅤまで分類されます。先ず標本は細胞検査士がClassⅠ~ClassVまで鏡検します。原則的にClassⅢ、ClassⅣ、ClassⅤは細胞診専門医が最終判断をして結果報告になります。またClassⅠ~ClassⅡでも症例によって細胞診専門医に鏡検をして頂く場合が多々あります。細胞検査士・国際細胞検査士の資格は5年毎に資格更新の手続きが必要になります。資格更新の為には細胞診検査に従事している事と共に、学会やワークショップなどへの参加が求められています。
当検査室でも日本臨床細胞学会・ワークショップ・地域の勉強会などに積極的に参加し新しい知見の習得に日々努力研鑽しています。






