検査・解析のチューケングループ

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ラボ便り・・・『微生物検査室』

2011.11.04
最近、豚丹毒菌という珍しい菌を検出したので、豚丹毒菌についてお話します。豚丹毒菌は自然界に広く分布し、ブタ、猪のほか、人を含む哺乳類、鳥類に感染する人畜共通感染症のひとつです。人に感染すると、敗血症や関節炎を発症させます。今回チューケンでは、血液培養から検出されました。まず、グラム染色でグラム陽性桿菌がみられ、血液寒天培地で培養すると、不明瞭な α 溶血を示すコロニーが発育しました。

そこから同定するために、同定キットにかけ、また、カタラーゼ(-)、オキシダーゼ(-)、ブドウ糖の酸化、硫化水素の発生(+)、バンコマイシンの耐性などの試験をして、豚丹毒菌だと同定しました。この患者さまは、ブタ肉が好きでよく料理するそうです。また、口元に手を当ててしまう癖があり、糖尿病を患っていて免疫力も弱いことから感染したのではないかということでした。
豚丹毒菌（グラム陽性桿菌）